2006-06

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環境という視線 2

石 弘之著
『世界の森林破壊を追う
  緑と人の歴史と未来』・評(朝日新聞社) 
―「通販生活」掲載

 東南アジアあるいはアマゾンの熱帯雨林破壊の情報は断片的に読んでいたが、世界各地の森林破壊状況を過去から現在までリアルに捉えた本に初めて出合った。本書はジャーナリストとして研究者として、世界中の森を自分の目で見て回った石弘之さんによる「緑と人の歴史の洗い直し」の一書である。
 石さんは「人類の文明史は森林喪失の歴史であった」という。私はかつては緑と人とのうるわしい共存関係があり、それが産業革命以降の近代化や人口爆発の結果、森林破壊を引き起こしたと思ってきたので、頭をガツンとやられたような気がした。
 本書は「森林」をキーワードに書き進められた一種の文明論でもある。  
 中国、インド、マレーシア、ケニア、アメリカ、ブラジル、オーストラリア、ロシアなど大陸別に一一カ国の森林破壊の歴史と現状が克明にたどられている。植民地支配や今日もつづくその後遺症、先住民弾圧の諸相……森林破壊はこうした支配被支配の代償として生み出されたものだったのだと深く再認識させられる。 
 燃料として、木材やパルプとして、農地や牧地としてつねに破壊にさらされてきた森林はいまや洪水や旱魃を引き起こし、やがて塩害や砂漠化という悲惨な道すじをたどっている。
 「世界人口の二%にすぎない日本は、世界貿易のなかで丸太輸入の五割以上、木材加工品輸入の三割近くを占める世界一の熱帯木材大国だ。日本は『伐り逃げ』と非難を浴びるほど東南アジアの森林をむさぼってきた」という言葉が胸にこたえる。
 石さんは先進国に求められているのはなにはともあれ「消費抑制」だという。私にできることは、古紙のリサイクルが木材やパルプへの依存を減らすことにつながるはずだと信じてがんばるしかないのだろうか。
 
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梶葉子

Author:梶葉子
読書のよろこびはなにものにもかえがたいものです。
私を実に実に遠くまで連れ去って
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書物に感謝しつつ
ささやかな感想をしたためていきま

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